ナバンのサトイモ、新属として記載

先日ちょっとお伝えしましたが、西カリマンタンのNgabang(ナバン)で採集した針金のように細い葉のサトイモが新属として発表されました。2回目に訪れた際の記事
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さっそく発表です!

属名
「Fenestratarum」
種名
「culum」


旧:Aroid sp. "Ngabang" Kab. Landak としてリリースしましたが、

新:Fenestratarum culum "Ngabang" Kab.Landak にタグ変更などお願いします。


まず新属という事について補足ですが・・・
新属のグループ分けの定義というのは、研究者個々のセンスが問われます。
例えば新属Dは、既存のA~C属の定義とは異なった形態的な特徴を持っていなければなりません。
また新属Dは、今後発見されたものがDNA解析などで「これはD属」となった時、どんなに見た目が違っていても「D属の定義」の部分で必ずその範疇に収まっていなくてはなりません。
この定義がいい加減だと、後にその定義の範疇に収まらないものが出てきて、他の研究者に再分類されたりしてしまいます。
しかし、今回のように一属一種の状態では、その検証もなかなか難しいと思われます、が・・・。

今回、新たな属として命名された「Fenestratarum(フェネストラタルム)」ですが、
Fenestratus(窓)+Arum(サトイモ類)を合わせたネーミングとなっています。
その意味について論文にこう書かれています。
「the unique translucent areas of the spathe limb.」
これは、この花に特徴的な半透明なエリアがある事を指しています。
そしてこの特徴をフェネストラタルム属の特徴としました。
つまり今後、この属に分類される種があるとすれば、必ずこの特徴を持っていなければならないという事です。

その特徴が↓の画像です。
(P.C.Boyce氏撮影)
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花に筋が入りその間が半透明の膜状になっています。
もともとアナバンテッド専門だった僕からすると、魚のヒレの軟条のようにも見えちゃいますね。
非常に特徴的です。

また注目すべき点として、「授粉者が肉穂花序にアクセスする仏炎苞肢にできた非常に制限された穴へのほのめかし」。
翻訳サイトでの直訳ですが、つまりブセやアリダルムのように仏炎苞が根元まで裂開せずに閉じており、穴のようになっているのが特徴で、これが種名=culumの意味となっています。

花が裂開せず穴のようになっています。↓
(P.C.Boyce氏撮影)
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以上が今回の分類上のごく簡単な解説です。


ここからは採集者視点からのちょっとした事など。
今回はグーグルアースを利用して、この種類の自生地を見てみましょう。
さっそく低い目線から自生地を見てみます。

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谷になっていて、手前から急激に勾配が上がっているのが分かります。
この森の中が自生地の滝になっているのです。標高差は約150m。

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もう少し遠目で横方向から見てみましょう。
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この滝のあったエリアが崖線になっていた事が分かりました。

この場所には2回訪れたのですが、その時ちょっとした違和感があったんですよね。
それは水がやたらと濁っていた事です。多少雨が降った後だとしてもちょっと濁り過ぎ・・・
上流で何かやってるな、と思っていました。
もう少し上方から見てみましょう。
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あらら~、この崖上全てがココヤシファームになってました。その広さは約6km x 6km、標高は約200m~250m。
少しの雨でも土が河川に流入していたから濁っていたんですね。
あんまり農薬使わないでほしいなぁ~・・・。

それにしても熱帯植物というのは不思議なもので、”ここにしかない”という種類がたくさんあります。
シンタンのブセで有名なブキックラムにはそこにしか生えていないウツボカズラがあります。
恐らくこの種類もここの崖一帯にしか自生していないものでしょう。
しかし、このような局地的な崖はボルネオ全土にゴマンとあります。
一つ一つ丁寧に探していけば、そこにしかない植物がさらに見つかっていくと思います。


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